化学原料メーカー様|水を100万mPa・s以上のパテ状に高粘度化した事例
水をゲル化させる特殊原料について、実際の製造設備でどこまで高粘度化できるかの検証と量産化のご相談をいただいた事例です。
野田化学では、少量混合試験から投入・分散条件の検討、実機でのスケールアップ、取り出し・充填方法の検証までを一貫対応。
液体である水を100万mPa・s以上のパテ状まで高粘度化し、量産化に向けた製造プロセスを確立しました。
※NDAおよび機密保持の都合により、社名・製品名・一部の仕様を匿名化して掲載しています。

お困りごと|水を100万mPa・s以上のパテ状にしてほしい
特殊な原料を開発する化学原料メーカー様より、その原料を使用した高粘度材料の製造実験についてご相談をいただきました。
この原料には、水をゲル化させる特性があります。水に原料を加えていくことで徐々に粘度が上昇します。
- 粘度が高くなるほど、材料全体を均一に混合・分散することが難しくなる
- 気泡を巻き込みやすくなり、一般的な攪拌設備では対応が難しい領域
- 今後さまざまな用途へ展開するには、実際の製造設備でどこまで高粘度化できるのかの検証が必要
- あわせて、量産できる製造方法を確立できるのかを見極める必要があった
そこで、高粘度製品の知見を持つ野田化学工業へご相談いただきました。
野田化学工業からのご提案|高粘度化を前提に混合・分散工程を設計
まず、支給いただいた原料を使用して少量混合試験を実施しました。
試験の結果、水と原料を単純に混ぜるだけでは均一なパテ状にはならず、原料の投入順序や投入方法によって状態が大きく変化することが分かりました。
そこで、次の項目について検討しました。
- 原料の投入順序
- 原料の投入方法
- 攪拌速度・混合時間
- 脱泡方法
- 高粘度化した材料の取り出し方法
- 容器への充填方法
100万mPa・sを超える高粘度品では、単に「混ぜることができるか」だけでは量産化できません。混合・分散した材料を設備から取り出し、実際の製品容器へ充填できるところまで含めて製造工程を設計する必要があります。
そのため、混合・分散だけではなく、製造から取り出し・充填までを一つの工程として検討しました。
対応内容|水を100万mPa・s以上のパテ状まで高粘度化
少量試験で得られた結果をもとに、実際の製造設備を使用したスケールアップ実験を実施しました。
その結果、液体である水を、100万mPa・s以上のパテ状まで高粘度化することに成功しました。
完成した材料は、静置した状態では形状を保持する一方、外力を加えることで流動する特性を持つ高粘度材料となりました。
さらに、製造後の取り出しや容器への充填についても実機で検証し、量産化に向けた一連の製造工程を構築しました。
進め方は次の通りです。
- 少量混合試験 → 投入方法による状態変化を確認
- 投入・分散条件の検討 → 攪拌速度、混合時間、脱泡方法を検証
- 実機スケールアップ → 実際の製造設備で再現性を確認
- 100万mPa・s以上まで高粘度化
- 取り出し・充填 → 実機で検証
- 量産化プロセスの構築
結果|100万mPa・s以上の「水パテ」の量産化プロセスを確立
今回の製品は、もともと低粘度である水を、最終的には100万mPa・s以上のパテ状まで高粘度化するという特殊な製品です。
原料の投入方法、混合・分散条件、設備特性を一つずつ検証することで、量産化に向けた製造プロセスを確立しました。
また、混合・分散だけではなく、高粘度化した材料の取り出し・充填まで含めた工程についても検証することができました。
原料メーカー様とタッグを組み、新たな用途開発へ
今回の取り組みを通じて、野田化学工業としても、この特殊な粉体原料が持つ可能性に着目しました。
原料メーカー様は、原料そのものに関する技術・知見を持っています。一方、野田化学工業は、原料を実際の製品に落とし込むためのアイディアと技術を持っています。
そこで今回の製造実験をきっかけに、単なる「原料メーカーと受託製造会社」という関係ではなく、それぞれの得意分野を持ち寄り、新しい製品・用途を一緒に検討していく協力関係を構築することになりました。
「原料を開発する会社」×「製品として形にする会社」。
双方の技術を組み合わせることで、この原料を使用した製品の用途開発や製品化についても、共同で検討していきます。
野田化学を選んでいただいたポイント
- 100万mPa・sを超える高粘度品の製造知見がある
→ 一般的な攪拌設備では難しい領域でも、混合・分散条件から設計できる - 「混ぜられるか」で終わらせない工程設計
→ 取り出し・充填まで含めて量産工程として検討できる - ラボから実機へのスケールアップに対応
→ 少量試験の結果を、実際の製造設備で再現・検証できる - 原料の可能性を一緒に考えられる
→ 受託製造にとどまらず、用途開発のパートナーとして協働できる


